■プログラム解説
  プログラムの開発経緯を省みると、まず基本設計の段階では、基本的な入力項目や三次曲面の屋根の発生ロジックを考え、Bスプライン曲面を採用してプログラムの開発を始めました。曲面の滑らかさを損なわないように制御点の入力方法を考慮し、第一段階のプログラムを完成させました。しかし大ホール部分の屋根が螺旋状の形態をしているため、曲面にねじれが生じることが分かり、屋根を分割計算できるように大幅なプログラムの改変を行いました。次に実施設計では、CADのバージョンアップに対応するため、全てのプログラムの再コーディングを行い、また設計側からの要求で入力項目や入力方法の改善を施しました。施工段階では、具体的な部分の詳細検討が可能なように、断面の作図をプログラムに追加しました。ここまでの段階で設計側のシミュレーション回数は大きなものだけでも三十回を超えるものとなりました。
  こうした経緯を改めて振り返ると、設計者自身がプログラムを使用することで、プログラム開発者では見えない設計者のこだわりがこちらに伝わり、それらをフィードバックすることで、プログラムが成熟し、設計精度が高まっていく印象を受けました。また、プログラムに対する設計者の理解度やロジックの特性の把握が、本当の意味での三次元設計につながり、屋根や天井の高さ、外観のバランスなどに、少なからず影響を与えたように感じます。このことはプログラムによるデザイン手法という枠を超えて、設計者の手に馴染み、個性をもった設計ツールを開発する可能性を示しているように思いました。
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